里子を受け入れての五年間

 

養育里親として約5年が経ちました。

 

養育里親になろうと思ったきっかけは、実子に恵まれなかったが子育てをしたいと考えていた折、児童相談所主催の養育里親の説明会の広告が目に留まり、参加してみようと思ったことが始まりでした。

説明会に参加し、養育里親の認定を取得する意思を固め、研修や実習に参加することにしました。私達の場合は、研修途中で義父が病気となり、介護が必要な状況となったため、認定取得に一年半の期間を要しました。

 

認定後は、夫婦共に四十歳を過ぎており、不安の日々でしたが、約半年後に児童相談所より、委託の連絡がありました。

最初に子供の写真を拝見するところから始まりますが、受け取ったのは一歳九ヶ月の男の子でした。紹介されたのは嬉しいと思った反面、初回の面会までに委託するかどうかの判断を求められたため、戸惑いました。

しかし、里父の祖父母がよく「親は望んだことで子供と共に過ごすことができ、また望まないこともできる。しかし、子供には選ぶ権利はない。」という言葉が沸き起こり、夫婦で相談した結果、面会をすることにしました。

 

その後は、乳児院での面会、外出、外泊を経て一緒に生活することになりました。

最初の頃は、にこやかな表情を見せてくれず、親子の関係が築けるかという不安がありました。

試し行動もあり、例えば食事に関して、短期外泊の際は出たものは好き嫌いなく食べていましたが、ある時から好きなものはこちらが心配するくらい食べ、嫌なものは食べる努力をせず、お菓子を求める行動が出始めました。また、一人になることを嫌がり、里母には四六時中離れず、トイレまで着いてくる行動や、碁石を片付けてもばら巻く繰り返し行動もありました。

平日接点が少なかった里父との関係では、嫌がらせをしているのではと思うくらい、逆のことを言って困らせ、一緒に行動することを嫌がるなど、母親とは別の悩みもありました。

 

半年が経った頃に、お風呂場で子供にお父さんとあまり言ってくれなかったのは何故怖かったの。と聞いたことがありました。

 

子供からは、

「僕にはお母さんしかいないと思っていたの。」

という想定外の言葉が返ってきました。

 

これを機に里父は、今まで以上に関わりを深める事とし、週末の入浴や自転車乗り、プールやスキーに出掛け、勉強を見ています。またパパ会では育児の相談をしながら頑張っています。

 

 

boy in bath

 

(M.Y)

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